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耳掃除のススメ「シンガポール編 」

はじめまして、耳鼻咽喉科の高木太郎です。シンガポールに来て、ようやく2ヶ月が経ちました。こちらに来てから、娘とよくプールに入るようになったのですが、日本よりプールが身近にあるシンガポールにお住まいの皆さんは、どのくらいの頻度で入りますか?ご家族、お子さんはいかがですか?

耳鼻咽喉科医として、ぜひおすすめしたいのはプール前の耳垢チェックです。耳垢が溜まった状態でプールに入ると耳垢が水分を吸水して膨張し耳の中が完全に塞がってしまう、耳垢栓塞という状態になってしまうことがあります。ひどくなると、耳の穴が炎症を起こし、痛みの原因となってしまいます。多くのコンドミニアムにプールが併設されていて常夏のシンガポールでは泳ぐ機会も多く、日本にお住まいの頃より耳垢に気を遣っていただくことが病気の予防につながると考えます。

しかしながら、同時に気をつけて頂きたいのは、「耳掃除のし過ぎ」です。これによって耳の穴に傷がつき、炎症を起こしてご来院される方も少なくありません。物足りないからと、竹や金属製の耳かきで強くこすっていませんか?あまり奥を掃除しようとすると鼓膜を傷つけてしまうこともあります。そればかりではなく、適度な耳垢は耳へのゴミの侵入を防ぎ、耳垢に含まれる抗体が感染と闘ってくれるという側面も持っており、過度な耳掃除は良くありません。

耳鼻咽喉科では、清潔な機器で耳の中を傷つけないよう細心の注意を払いながら医師が耳掃除を行います。ご自身では取り切れない耳垢は皆さんの想像以上に多く、驚かれる方も多いです。特にお子様の耳掃除は、耳の穴も小さく、お子様が動いたり怖がったりと、なかなか上手くいかないとおっしゃる声を良く聞きます。私にも娘がおりますのでよくわかります。恐怖心を与えないよう、最大限留意しながら施術することを心がけています。

学校でのプールが始まるタイミング、終わるタイミングなどで、耳垢の状態を見る習慣をつけていただくことをおすすめします。病気の予防という観点でも大切なことです。耳鼻咽喉科には、耳掃除だけの目的で来院される方も多くいらっしゃいます。相談だけでも結構ですので、ぜひお問い合わせ、ご来院お待ちしております。

医師 高木 太郎