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においのリハビリ

嗅覚障害は生活の質の低下につながるため、適切な対処や治療が必要です。においが感じられないと食事の満足度が低下するばかりでなく、ガス漏れなど危険な状況を察知することが難しくなります。また、嗅覚は記憶や感情とも関連しており、特定の香りが人々の感情や思い出を呼び起こすこともあります。

原因には様々なものがありますが、頻度として多いのは、いわゆる風邪や副鼻腔炎に伴って起こるものです。コロナ感染でも嗅覚障害が起こることは有名です。多くの方は自然に回復しますが、後遺症として残ってしまう場合があります。その他に、頭部外傷や認知症でも嗅覚障害をきたすことがあります。

治療には、漢方薬、ビタミン剤、亜鉛製剤、ステロイド点鼻液などがありますが、近年では嗅覚刺激療法という治療が注目されています。「においのリハビリテーション」です。

リハビリとお聞きすると、足腰などの体を動かすものをイメージされる方が多いと思います。耳鼻咽喉科領域では、嗅覚、発声、嚥下、めまいなど、様々な症状に対するリハビリがあります。嗅覚刺激療法では、においを積極的に嗅ぐことで嗅神経を刺激し、機能を回復させることを目的としています。具体的には、ある決められた数種類のにおい成分を一定期間毎日嗅いでいただきます。

数年前まではまだ認知度が低く、治療専用のにおい成分が製品としてありませんでした。私自身が日本にいた頃は、香料を製菓店などで購入し、少しずつ小分けにして患者さんに配っていましたが、現在ではリハビリキットとして市販化もされています。シンガポールのアマゾンでも売っていましたので、試しに1セット購入してみました。デザインもかわいくていい感じです。休憩時間の癒やしにもなりそうです。においでお困りの方は、紹介しますのでご相談ください。

医師 高木 太郎