江戸の人も苦しんだ 、のどの不快感
2026年1月20日

「子どもの鼻呼吸、気にしたことはありますか?」

私たちは普段、呼吸の仕方をあまり意識せずに生活しています。しかし子どもにとって、「鼻で呼吸できているかどうか」は、成長に深く関わる大切なポイントです。鼻呼吸には、空気をきれいにし、加湿・加温する働きだけでなく、安定した呼吸のリズムを通して体や脳の発達を支える役割があります。

一方、鼻づまりなどで口呼吸が続くと、睡眠の質が下がったり、口や舌の使い方のバランスが崩れたりすることがあります。その結果、歯並びや姿勢、集中力などに影響が出ることもあります。鼻呼吸は単なる「癖」の問題ではなく、子どもの成長の土台を支える要素のひとつなのです。

特に鼻呼吸が重要になるのは、0〜6歳頃、なかでも0〜3歳の時期です。この時期は、呼吸の仕方だけでなく、顔や顎の発育、脳の働きが同時に形づくられていきます。風邪やアレルギーで鼻づまりがなかなか取れず、鼻が通らない状態が長く続いていないかどうかには注意が必要です。

最近の研究では、成長期に鼻呼吸が妨げられると、脳の中でも運動や集中力、気持ちの安定に関わる部分の発達に影響が出る可能性が示されています。発達途中の時期に鼻呼吸がうまくできない状態が続くと、脳の神経回路が十分に整わないことがあり、その影響が成長後まで残ることがある、という結果でした。一方で、大人になってから一時的に鼻呼吸が妨げられても、大きな影響は見られなかったことから、「成長のある時期」が特に大切であることがわかってきています。

いつも口が開いている、寝ているときに口呼吸になっている、鼻はひどく悪くなさそうでも何となく気になる――そんなサインがあれば、一度鼻の状態に目を向けてみてください。鼻呼吸を守ることは、子どもの健やかな成長をそっと支える大切な一歩です。

医師 高木 太郎