今年はデング熱の発生件数が増加しており、過去最悪の水準に達する恐れがあり、国家環境庁(NEA)は予防策に取り組むようよびかけています。
デング熱は、蚊が媒介するデングウィルスによって発症します。ウィルスを有する蚊に刺されると、4-7日程度の潜伏期間を経て発症しますが、約80%は不顕性感染
といって症状は出ません。突然高熱をきたし、2-7日で解熱します。関節痛や筋肉痛、頭痛、嘔吐などを伴うこともあります。約半数の症例では、解熱期に皮疹がみられます。
媒介となる蚊を繁殖させない、蚊が繁殖する水たまりを作らないことが重要となります。そして、蚊に刺されないことも重要です。長袖、長ズボンの着用、蚊の忌避剤な
どの使用が推奨されます。
DEETがはいった忌避剤を使用することも多いと思いますが、子供に使うときは以下のことに気を付けてください
1)年齢制限:6カ月未満の乳児は使用しない。
2歳未満は1日1回まで。2歳以上12歳未満は1日3回まで。
2)手のひら、顔面への塗布はしない。(特に乳幼児)
目に入ったり、なめたりすることを防ぐためです。
3)ディート濃度10%未満のものにする。
これは米国小児科学会の推奨でもあります。
4)スプレー型のものは、吸入する恐れもありますし、有効性(付着効率2割程度)も乏しいです。
大人が手にとって、こどもの皮膚に直接塗布するのが良いでしょう。
5)お出かけが終わったら、できる限り早く石鹸などで洗い落しましょう。
日焼け止めと併用することも多いと思いますが、その場合は日焼け止めを最初に塗り、その上から虫除けを塗ってください。
医師 大月 亜希子