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学童の近視治療 いつやるの?今 でしょ!2

近視治療2回目は、近視進行のメカニズムについてご説明します。近視進行のメカニズムは諸説あり明確になっているわけではないのですが、近視が強くなるほど、眼が満丸なピンポン球のような球体から、ラグビーボールのような形に変形してゆきます。その主な理論としては、光を曲げる筋肉の「過緊張」と、「それによって網膜周辺部に当たる光の焦点のズレ」によって、「眼が伸びる」という理論です。近視になりかける時は、この筋肉の過緊張が続いている状態で、一時的に裸眼視力が落ちています。この一般的に言われている仮性近視(学校近視)と呼ばれる状態の時に学校検診の際にいわゆる「引っかかる」ことがあります。その場合は眼科受診をし、点眼薬や遠方視をすることで筋肉をリラックスさせ裸眼視力を取り戻すこともできます。しかし筋肉の過緊張が長期に持続してしまうと、網膜周辺部に当たる光の焦点のズレに引っ張られるように眼が伸長し、筋肉の過緊張が取れても、すでにピントが合わせることができない状態(真性近視)となり、眼鏡やコンタクトによる補正が必要になってしまいます。

この理論を背景にした近年の近視進行の抑制治療は、
1「筋肉の緊張」をほぐし、眼軸長延長の抑制効果を期待する、0.01%アトロピン点眼
2「網膜周辺部のズレ」を補正し近視進行の抑制効果が認められた多焦点コンタクトレンズやオルソケラトロジー、近視進行抑制眼鏡(PAL:Progressive Additional Lens=累進多焦点眼鏡)
などです。

次回は、これらの治療方法についてさらに解説してゆきます。

医師 岡野 喜一郎