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飛行機と貧血

コロナウイルスによる渡航制限や待機が徐々に解除され、帰国や海外渡航を検討されている方もいると思います。今回は、飛行機と貧血についてのお話です。

貧血はフラフラ、めまい、息切れ、動悸といった症状をきたしますが、ゆっくり貧血が進行すると、ほとんど症状が自覚されません。来星されている方に多い貧血は、鉄欠乏性貧血で、女性によく見られます。生活に支障がない貧血ですが、飛行機に乗ると問題が起こることがあります。

私たちの搭乗する機内の気圧は飛行高度にかかわらず約0.8気圧(富士山の5合目程度)、空気中の酸素分圧も地上の80%に減少しているそうです。健康な方には全く問題ありませんが、高度の貧血(ヘモグロビン8.5g/dl未満)があると、上空で身体に必要な酸素が不足してしまいます。程度や原因によっては、飛行機による旅行を禁じなければならない場合や、機内で酸素を使用する必要があるので、事前に航空会社に手続きや費用については確認が必要となります。

健康診断で貧血を指摘されている方は、旅行の予定が決まったら再検査を受けておくとよいでしょう。

医師 佐野 智彦