性感染症(STD)7 腟 カンジダ 
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コロナ感染後の後遺症
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外来でよく見かける疾患

シンガポールの日本人社会は駐在員とその子供が多いため、人口構成が日本とは異なり、結果として日常的に診る疾患の構成も異なってくるのは興味深いことだと思っています。人口ピラミッドで現代の日本が「つぼ型」だとすると、シンガポールの日本人社会は「ひょうたん型」といったところでしょうか。(2019年の統計上、シンガポールの全人口569万人に対し日本人は約3万7千人なので、全体からすると小さな小さなグラフではありますが。)
70歳以上の方が受診されることがほぼないので、骨粗鬆症、脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折などはまず見かけません。そのかわり当地では、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)・外側上顆炎(テニス肘)、バネ指、肩のインピンジメント(肩関節を動かす際に、関節付近で他の骨や筋肉との衝突が生じることによって、組織の損傷が起こって痛みが生じる病気)、足の捻挫や腰痛の方が多くなっています。
テニス・ゴルフなどのスポーツの機会が多く発症してしまうのかもしれません。コンドミニアムの多くにはテニスコートやジムが併設されていますし、ゴルフ場にも恵まれ国内に限らず(コロナ禍でなければ)マレーシアやインドネシアにも足を伸ばせるのでゴルフ好きにはたまらないでしょう。ただ、ゴルフとバネ指は有為に関連性がありそうなので、やりすぎに注意です。プール関連の怪我が一年を通して見られるのも当地の特徴です。一年中泳げるのは楽しいですが、それはプールサイドで滑って転ぶ心配が年がら年中あるということでもありますので、お子さんのプール遊びの際にも気をつけましょう。

医師 長谷川 典子