ランニング障害についてのコラムも第4回となりました。今回は「アキレス腱炎・付着部炎」についてお話をしたいと思います。
歩き出しでアキレス腱が突っ張るような感じ、それとともに痛みや腫れがあれば、アキレス腱炎を疑いましょう。症状が強いときには周囲に熱を持つこともあります。朝やトレーニングの始めに痛むことは特徴的で、腱の柔軟性が特に低下しているから症状が出やすいとされています。
アキレス腱付着部炎もほぼ同じ病態ですが、こちらはアキレス腱の中でも踵の骨にくっついている部分が腫れ、シューズに当たる部分が痛くなります。
痛みがひどいときや熱を持っているときにはランニングを中止し、アイシングしたり消炎鎮痛剤を内服します。下腿三頭筋のストレッチをして柔軟性を高める、踵をやや高くした靴の中敷き(インソール)を装着する、などで症状の発症を予防できます。
慢性的になるとステロイドの局所注射をして炎症を抑えますが、ステロイド注射は腱や周囲の皮下組織を傷つけたり弱めたり、また注射した箇所の皮膚が一時的に変色するなどのリスクもあるため、まずは注射以外の方法を検討します。
アキレス腱の症状でお悩みの方は、いちど整形外科をご受診ください。
医師 長谷川 典子