シンガポールはサーキットブレーカーが終わり徐々に解除が進んできていますが、今のところコミュニティでの陽性者が急増することはなく経過してきています。新型コ
ロナウイルスは新しい病原体なので、いろいろ分からないことがありましたが、時間がたつにつれて、徐々に分かってきたことがあります。
まず、一見症状のない人からでも感染することがわかり、症状がない人でもマスクした方がいいのではないかということになり、マスク利用の方針が変わりました。そして、麻疹や水痘のような空気感染とまでは言えませんが、換気の状況によってはいわ
ゆる飛沫が届く１．５ｍや２ｍを超えても感染が成立しそうだということがわかってきました。
ただ報道されましたように、空気感染が大きなファクターではなく、飛沫と接触感染が主であるので、今まで通り、換気に配慮し、距離が保てない状況ではお互いにマス
クをする（２歳児未満や一部の病気の人は例外）ということになります。
検査数が増え軽症者や無症状の陽性者が多数検出されているが入院数、重傷者数はそれほど増加していない国や地域も多いので、しばらくは新型コロナとうまく付き合っていくしかない状況です。
医師 林 啓一