シンガポール国立大学のRob van Dam氏がThe New England Journal of Medicineという学術誌にコーヒーと健康についての総説を2020年に発表しています。
これによると、昔の定説は覆されて、カフェイン入りコーヒーが高血圧の発症や悪化のリスクを増大させることは否定されているばかりか、適量であれば心疾患のほか、2型糖尿病、一部のがん、パーキンソン病、肝疾患および胆石などのリスクを低下させる可能性があります。
しかしあくまでも嗜好品であり、予防目的で飲むべきではなく、カフェインに対して過敏な人は不眠やイライラを避けるためにデカフェを使ったり、時間帯を工夫するなどが必要です。エナジードリンクに含まれるカフェインや薬物との相互作用にもご注意下さい。妊娠中はカフェインとして1日あたり200mg未満ぐらいが安全であろうと言われています。コーヒーを飲むときのクリームや砂糖の影響も考慮してください。
医師 林 啓一