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新型コロナウィルス(COVID -19)に対するワクチン接種

COVID-19に対するワクチン接種がシンガポールで始まって、約4か月が過ぎました。政府発表によると、5月17日の時点で約340万回の接種が行われ、200万人近くの人が少なくとも1回の接種を終えています。

かなり短期間で作られたワクチンですので、どうしても副反応が心配になりますが、Health Sciences Authority(HSA)の発表では、シンガポールでのアナフィラキシーショックなどの重篤な副反応の発生率は0.004%であり、安全であると判断されています。また、今のところ血栓症の報告はありませんし、このワクチンが原因で死亡した方はいらっしゃいません。ただ、HSAの発表では、発疹、発熱、めまいといった副反応の報告は、20―39歳の方では1000人に4人以上なのに対し、60―69歳の方では1000人に1.2人であり、若年層の方が副反応の発生率が高いとされています。日本の統計でも同様の結果が示されており、若年層の方はこの点には注意が必要だと思います。なお、このデータは主にPfizer-BioNTech社のワクチンのものですが、3月からはModerna社のワクチンのデータも含まれています。

もちろんワクチンを接種していても感染する可能性はありますが、先日発生したTan Tock Seng病院のクラスターでは、感染者のうちワクチンを接種していた人は全員無症状から軽微な症状ですんでおり、重症化を防ぐという効果が期待できそうです。

5月18日からは40歳から44歳の方の接種も始まり、またワクチン接種の対象年齢も12歳まで引き下げられます。今後ワクチン接種を検討される方も多いと思いますが、私の意見としては、前向きに考えていただきたいと思います。

医師 堀部 大輔