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シンガポールでよくある「眼の症状ランキング5」

いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。来月9月30日をもちましてラッフルズクリニックを退職させていただきます。今回が最後のメルマガとなりました。

今日は8年にわたるシンガポールでの眼科診療から、受診患者さんが多かった眼の症状を、ランキング形式でお届けします。ぜひ参考にしていただき、予防にお役立てください。

1)充血、目ヤニ、かゆみ
皆さんが一番心配する伝染性のあるアデノウイルス結膜炎は意外と少なく、ほとんどは、雑菌やハウスダストなどが原因の非伝染性の結膜炎です。非伝染性のひとつ、アレルギー性結膜炎の原因としては、エアコンのカビ、マットやカーテンにいるダニが原因です。アレルギー性結膜炎を抑える市販薬はないので、クリニックで抗アレルギー薬を処方してもらいましょう。また、上記のアレルゲンを生活環境から排除するなどの対策も大切です。

2)目がしょぼしょぼする、痛い
シンガポールでは、エアコンをほぼ1日中つけています。エアコン下でのパソコン作業やゲームは、子供でもドライアイが生じます。特に就寝中、まぶたが閉じていても、エアコンをつけっぱなしの場合、ドライアイを引き起こします。ベッドルームの湿度にも気をつけてください。
また、コンタクトユーザーは、レンズを取り外す時にしばしば、角膜炎を引き起こします。ドライアイ用の目薬を使用し、眼を潤わせてから、レンズを外してください。

3)まぶたが腫れた
室外は暑く、室内はエアコンで寒いシンガポール。この寒暖差やエイジングによって、まぶたの脂腺や汗腺が詰まりやすくなり、麦粒腫(ものもらい)や霰粒腫につながります。まぶたを定期的に温めることにより、根詰まりが解消され予防になります。ホットタオル、ホットパット(市販の「あずきのチカラ」)、またシャワーの際に目を閉じてお湯をかけるなど、まぶたを温めることをお勧めします。

4)黒い点が見える
40代くらいから目の変化が出始めます。眼球内ほとんどを占める「硝子体」という粘稠性の液体に含まれるコラーゲン繊維が変化を起こし、ゴミのような影を作ります。多くの方は、エイジングによる変化なので気にする必要はありませんが、時に、網膜剥離や網膜裂孔のような失明に関わる症状のときもあります。短時間に変化が大きい時は、眼科にて精密眼底検査をしてください。

5)目がかすむ
視力検査さえすれば十分と考えていいのは、基本的に20代までです。30代に入ると自覚症状のない緑内障や黄斑変性が生じる可能性があるため、視力検査に加え眼圧、眼底検査、更により早期発見を目指すなら3次元眼底撮影装置(OCT)の検査も加えましょう。
高血圧や高脂血症、糖尿病は、視力を失う眼疾患に直結します。定期的に健康診断を受け、ご自身の数値をしっかりと把握、認識しておくことが大切です。年に1回の健康診断で眼の健康を守りましょう。

そして、駐在されている50代の方々の白内障も見受けられます。目薬で改善しない目のかすみは、眼科受診し、緑内障、白内障の有無を確認してください。最近の白内障手術は、老眼や乱視も改善できる眼内レンズを用いた手術ができ、術後は眼鏡の使用がほぼ不要となります。

約8年、シンガポールに住まう邦人の方々の眼科医療を担うことができ、大変勉強させていただきました。実感するのは、やはり日本の眼科医療は世界最高レベルでかつ安価、手術の腕も器用でトップクラスだということです。今後も一時的帰国中や本帰国後、眼科医療でお困りの際は、10月に神奈川県に開院致します「相模原眼科」までお気軽にご相談ください。(https://sagamiharaganka.com
眼科に限らず、健康を維持するためには「未病医療こそが一番の早期治療」です。シンガポールから日本へ拠点は移しますが、今後はエイジングケアをもっと身近に広めるための活動にも尽力していきたいと、気持ちを新たにしております。(LINE  https://lin.ee/GbDgFTs ) (WEBhttps://note.com/4yourhealth )

ありがとうございました。

医師 岡野 喜一朗