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ソフトクリームが嫌い―味覚嫌悪学習(嘔吐恐怖症の人は読まない方がよい内容です) 

私は子供の頃から車酔いがひどい。小学生の時、外出先で大好きなソフトクリーム食べた帰り、父親の運転する車の中で全部吐いてしまった。以後、ソフトクリームが嫌いになり、40歳を過ぎるまで食べなかった。

食べ物と不快な経験が結びつくことで、その食べ物が嫌いになる現象を味覚嫌悪学習と呼ぶ。危険を予測する脳の防御反応とも言われるが、パブロフの犬で有名な古典的条件付けとも少し違い、たった1回の嫌な経験でも成立し得る。牡蠣を食べておなかをこわしてから牡蠣が食べられなくなったという人は結構いる。

同じく私が小学生の時、父が運転する車で酔ってラーメンを大量に吐いてしまったことがある。が、ラーメンはその後も大好きだ。実は、車内で私が嘔吐したのとほぼ同時に、乗っていた車が氷雪路でスリップし、道路外に完全に落車した。猛吹雪で白一色の世界、動揺している両親、懸命に牽引してくれた通りがかりの大型トラック。それらの強烈な思い出が、ラーメン嫌いになる条件付けを妨げたのかもしれない。
ラーメンが美味しい人生でほんと良かったです。

医師 日暮 真由美