蕁麻疹は、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。
個々の皮疹(ブツブツや赤み)は数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。形も様々で、円形、楕円形、線状、花びら状、地図状などと表現されます。
蕁麻疹に見られる皮疹(皮膚の性状の変化)は、ちょうど蚊に刺された時に起こる皮膚の変化(ぷっくりとした境界明瞭な皮膚の膨らみ、赤み、そして痒み)に良く似ています。
ただ虫刺されは後に何日かしこりのようなものが残ったり、ひっかいているうちに表面がジクジクしたり、数が増えたりすることがあるのに対し、蕁麻疹は跡かたなく消えてしまうのが特徴です。逆に一見虫刺されの様に見えるブツブツでも、数時間以内に跡かたなく消えてしまうようであれば、蕁麻疹の可能性が高いといえます。症状が6週間未満で収束するものを急性蕁麻疹、それ以上症状が続くものを慢性蕁麻疹とします。
急性蕁麻疹では、風邪の既往があることが多く、それをきっかけに発症していることもあります。多くの急性蕁麻疹は数日から数週間で終息しますが、一部は慢性蕁麻疹に移行することがあります。慢性蕁麻疹の多くは原因不明であり、10年以上続くこともあります。
医師 大月 亜希子