大腸カメラをしていると、大腸の粘膜に色素沈着をおこし黒くなっている方がいます。
これは、大腸メラノーシスといい、センナ、アロエ、大黄（だいおう）などの長期的な摂取により大腸が黒色調に見える変化です。
これらの生薬は排便を促すとされており、たまに摂取する上では便秘が解消されたり便通によい働きをします。（特に、センナはプルゼニド、アローゼン、Ｓｅｎｏｋｏｔ（シンガポール）といった商品名でよく使用されています。）
しかし、長期的常用により、逆にこれらの生薬に依存がつき、だんだん効かなくなり難治性の便秘になってしまうことがあります。また、注意が必要なのはお茶や健康食品にも含まれていることがあるので、知らぬうちに常用してしまっている可能性もあります。
生薬だから健康に良いと思っていても、それが長期的には「おなかの張り」や「便秘」などをおこし逆効果になっているなんてこともあるかもしれません。
ですので、たまに使う上では非常に有効な良いお薬／生薬ですが、常用はあまりお勧めできません。
慢性的な便秘でお困りの方、長く使っても問題のない便秘治療薬も多くありますので、ご自身にあった排便調節方法を医師と見つけてみてはいかがでしょうか。
医師 佐野 智彦