めまいはとても頻度の多い病気ですが、多彩な原因で起きます。そのため、しっかりとした診断をもとに、それぞれの原因に応じた治療が必要となります。近年、テクノロジーの進歩により、めまいの検査や診断も10-20年前とはだいぶ変わってきました。
多くのめまいは、三半規管など、耳の異常で起きることが多いため、耳の機能チェックが必要となります。以前は、耳を刺激してわざと強いめまいを起こしたり、グルグル回る椅子に乗って検査を行なったりなど、そもそもめまいでつらい時に、さらに気持ち悪くなりかねない検査も行なわれていました。現在では、CCDカメラでめまいに関連する眼のわずかな動きを精密に計測したり、首の筋肉に発生する微弱な電気信号から耳の機能を推定するなど、より正確でしかも体への負担が少ない検査も可能となりました。
一方で、めまいには、稀に脳や心臓の病気が隠れていることもあります。疑われる場合は、MRI検査なども組み合わせて、診断を絞り込んでいきます。めまい症状が強い方や、長く続くめまいに悩まされている方は、医療機関でご相談ください。
医師 千原 康裕