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歴史上の心療内科患者さん 西郷隆盛

西郷さんは長年下痢や腹痛に苦しんでいたとのことで、過敏性腸症候群だったのではないかと言われている。過敏性腸症候群とは、ストレスによって脳からストレスホルモンが放出され、その刺激で腸の動きがおかしくなってしまう病気であるが、現代のストレス社会で急増しているとも言われている。一方、下血もあったらしく、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患だったという説もある。炎症性腸疾患もストレスが悪化要因になることが知られている。

このように、ストレスが発症や経過に関連する身体症状を心身症と呼ぶ。ストレスがやばい状態になってますよと、身体が警報を出しているとも考えられている。西郷さんは、幕末―明治維新―西南戦争を全身全霊で駆け抜けた。生きている間はずっと、常に猛烈なストレス下にあったことは想像に難くない。しかし、どんなにおなかが痛くなっても、何度もトイレに駆け込んでても、それでも西郷さんにとっては自分のストレスよりも日本の未来の方が気がかりだったに違いない。
西郷さんは西南戦争で49歳で自害している。歴史上の有名人よりも自分の方がずいぶん年上だと知って、今、私もおなかが痛い。

医師 日暮 真由美