医師コラム

2020年1月21日

2019―nCoV

中国の武漢で新しいコロナウィルスによる肺炎が報告されSARSやMARSのような新興感染症のように心配されています。SARSの時の教訓から中国や各国の当局は隠蔽はせずに、正確な情報を的確に交換し、対応をはじめています。 症例が定義され、武漢以外でも検出されて報告数は増加していますが、ヒトからヒトへの感 […]
2020年1月14日

「まぶたのしこり?!」

学童期のお子さんや、30ー40代の方で、時々まぶたが腫れていることに気づくことがあると思います。「ものもらい、メバチコ?」と思われると思いますが、ものもらいは、麦粒腫といい、眼瞼(まぶた)にある汗腺(ツアイス腺、モル腺)や脂肪腺(マイボーム腺)に、細菌が感染し炎症をおこして腫れあがったものです。赤く […]
2020年1月7日

わるい姿勢で食べるのはなぜいけないの?

頬や舌の筋肉がよく動くようにするには正しい姿勢で食事をすることが大切です。猫背で食事をすると、下あごが前にずれて前噛みになってしまいます。奥歯に食べ物を乗せ、頬と舌の筋肉を使ってしっかり噛むことが出来なくなってしまいます。 次に重要なのは正しく噛むということです。一番いけないのは、口を開けてクチャク […]
2019年12月31日

医療の不確実性2

前回に引き続き医療の不確実性についてのお話を続けます。人間という複雑なシステムを対象とする医療においては、確立された標準的な治療を行っても改善が見られなかったり、あるいは思わぬ反応が見られることもあります。医学の発展によって、抗がん剤の有効性についてあらかじめ遺伝子のタイプで見通しを立てたり、長期に […]
2019年12月24日

六角形

ラッフルズホスピタル近くに亀甲模様の高層ビルがあります。このビルを見ると、学生時代に角膜内皮細胞はなぜ「六角形」なのか、講義で熱く語られる眼科教授がおられたのを思いだします。もう17年前の眼科講義の1コマにすぎませんが、印象的だったのでご紹介したいと思います。 角膜内皮細胞は綺麗な「六角形」をしてい […]
2019年12月17日

声が嗄れるときは?

声がでなかったり、かすれてしまうのは、よくある症状のひとつですが、原因はいろいろあります。中には注意しないといけない病気もありますので、今回とりあげたいと思います。 ノドの奥に声帯(せいたい)という声を出す部分があります。風邪のときや、カラオケで歌いすぎたり、大声で話をしすぎたりすると、声帯そのもの […]
2019年12月10日

de Quervain(ド ゥ・ケルバン)病

難しい名前がついていますが、簡単にいうと手首の腱鞘炎のひとつで、比較的よくある病気です。 手首付近の伸筋腱のうち、最も親指側に近いところにある「長母指外転筋腱」と「短母指伸筋腱」の腱鞘(腱の通り道)に炎症が起こった場合にのみ、de Quervain病と呼んでいます。この腱鞘が親指の付け根の辺りにある […]
2019年12月3日

性感染症(STD)4 性器ヘ ルペスについて

今回はSTDの中でも、強い痛みを伴う性器ヘルペスについてお話しします。 性器ヘルペスウイルス感染症(genital herpes simplex virus infection、以下性器ヘルペス)は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって性器やその周辺に水疱や潰瘍等の病変が形成される疾患です。 […]
2019年11月26日

歯を削るときの音

歯が少し痛いから歯医者に行かなければと思うものの、歯を削る音が怖くて足が遠のいてしまい、痛みを我慢して何となく日々をやり過ごしている方は少なくないかもしれません。意を決して歯医者に出かけても、待合室であの嫌な音を聞いただけで音と痛みが頭の中で結びつき、鳥肌が立つ方もいらっしゃるかと思います。治療を受 […]
2019年11月19日

非医療従事者の救命処置の重 要性について

前回は認知症を予防するためのガイドラインに関してお話しさせていただきましたが、その中では「社会的活動への参加や社会的な支援は人生を通じて健康や幸福に強く関連しているため、社会的包摂は重要である」と述べられています。日本でも雇用が65歳まで延長され、今後も高齢者の社会参加はますます進んでいくと考えられ […]