医師コラム

2018年1月23日

難聴と認知症

多くの先進国では認知症の増加がクローズアップされていますが、世界的に権威のあるランセットという医学誌で最近、膨大なデータをもとに「本人が意図すれば改善できる認知症の危険因子」が9つ提示されました。それは、「中等教育の未修了(中学までの義務教育がある日本ではあまり関係ないかもしれません)」「高血圧」「 […]
2018年1月16日

五十肩

「肩関節周囲炎」というちゃんとした(?)名称はついているものの、なじみがあるのは「四十肩」「五十肩」という名前のほうでしょうか。四十肩と五十肩は別々の病気だと思っている方がたまにいますが、同じ病気のことを指します。肩関節のエイジングで、早いと30代からみられ、多くは中年以降にみられます。 肩関節を作 […]
2018年1月9日

未受精卵の凍結保存

近年、未受精卵の凍結保存が可能となり、日本でも施行している施設が増えてきました。仕事やパートナーの都合で、妊娠出産の準備が整わないまま卵子と共に年を重ねていき、子供を産み辛くなることを社会性不妊といいます。 卵子が老化すると、染色体の不分離が生じやすくなり、流産率も上がり、結果的に出産率が激減します […]
2018年1月2日

炎症後白斑

日本に比べてシンガポールで多くみられる皮膚症状のひとつに「皮膚の色が白く抜ける(色素脱失)」という症状があります。 皮膚の色が白く抜ける疾患として代表的なものは「尋常性白斑」ですが、お子さんの顔や腕などにみられる境界不明瞭なぼんやりとした色素脱失は「炎症後白斑」や「海水浴後白斑」の可能性があります。 […]
2017年12月26日

くちびるのふくれ

唇の内側に水ぶくれのようなものができているが、しばらく経ってもなかなか小さくならない、といった経験はありませんか? それらの多くは、粘液のう胞とよばれ、口腔や唇、舌などに高い頻度で出現するできものです。のう胞とは、内部に液体や流動状のものが入っている袋状の膜構造を持つものをいいます。風船の中に水を入 […]
2017年12月19日

死について31

「命の選別」の第二弾。今回は日本でも話題の「新型出生前診断」の話。 出生前診断というのは、胎児の遺伝子の異常を出生前に診断するもので、「新型」は妊婦の血液中に流れている微量の胎児由来DNA断片を解析することで、胎児の染色体数の異常(21トリソミーなど)を統計学的に予測するスクリーニング検査です。 確 […]
2017年12月12日

機能性ディスペプシア(Functional Dyspepcia:FD)

今回は、機能性ディスペプシア(FD)についてお話します。あまり聞きなれない病名だと思いますが、近年注目されている疾患です。 機能性ディスペプシア(FD)とは? 機能性ディスペプシア(FD)とは、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や採血検査などで問題がないにもかかわらず、慢性的な上腹部痛や胃もたれなどの […]
2017年12月5日

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症、神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、我が国では成人の失明原因の第一位となっています。 網膜は眼底にある薄い神経の膜で、ものを見るために重要な役割をしています。網膜には光や色を感じる神経細胞が敷きつめられ、無数の細かい血管が張り巡らされています。血糖が高い状態が長く […]
2017年11月29日

乳歯はいずれ生え変わるから

乳歯はいずれ永久歯に生えかわるから、むし歯の治療はしなくても良いと考えてはいませんか? 乳歯は永久歯と比べ、むし歯の進行が早いのですが、痛みに鈍感なため痛みを訴える頃にはむし歯がかなり進行していることも多く、むし歯が歯の神経まで達していることもよくあります。 むし歯を放置して歯の形が崩れると、噛み合 […]
2017年11月21日

マニキュア

マニキュアによる爪甲剥離症をときにみかけますが、マニキュアは爪に負担を生じるものなのでしょうか。顔への化粧が一方的に顔の皮膚によくないわけではないようにマニキュアも必ずしも爪への負担を強いるわけではなく、うまく用いれば保護的作用も期待できます。 マニキュアの成分によってアレルギー性の接触性皮膚炎が起 […]